最近、「【りそな銀行】お客さまの口座に異常ログインの可能性がございます」という内容のSMSを受け取ったという声が増えています。一見すると公式の連絡のようですが、これらはフィッシング詐欺の一種である「スミッシング」に該当する迷惑メッセージです。
こうしたメッセージには反応せず、冷静に対処することが重要です。本記事では、スミッシングの仕組みや注意点、被害を防ぐ方法について詳しく解説します。
スミッシングとは?その狙いと手口
スミッシング(SMS phishing)は、SMSを悪用して受信者を偽のウェブサイトに誘導し、個人情報やクレジットカード情報を盗み取る詐欺行為です。以下のような手口が一般的です。
- 金融機関を装うケース
「不正ログインの可能性があります。直ちにパスワードを変更してください」という内容で偽サイトに誘導。ログイン情報を盗み取られることがあります。 - 宅配業者を装うケース
「不在のため荷物を持ち帰りました。確認はこちら」として偽の配達状況確認サイトに誘導し、個人情報を入力させます。 - 通信会社を装うケース
「未納料金があります」「回線停止の通知」などを送り、リンクや電話番号を利用者にクリック・連絡させます。 - 通販サイトを装うケース
「アカウントエラーが発生しました」「月額料金が未納です」としてAmazonや楽天を装い、フィッシングサイトへ誘導します。
これらのメッセージの多くは「緊急」「至急」といった焦らせる表現を含んでおり、冷静さを失わせることを狙っています。
怪しいSMSを見分けるためのポイント
スミッシングメッセージを見分けるためには、以下の点に注意しましょう。
1. 送信元の確認
送信元が不審な番号や記号の場合は要注意です。特に以下に該当する場合、危険性が高まります。
- 国外番号(例:+1、+44など)
- 携帯電話番号(090や080など)
- 表記が不自然なアルファベットや略称
2. リンク先のURLを確認
送られてきたURLが公式のものかどうか必ず確認しましょう。公式のサイトURLは企業のホームページに記載されている場合が多いので、比較することをおすすめします。短縮URLの場合は展開ツールを使用してリンク先をチェックしてください。
3. メッセージの内容に注目
不自然な日本語や明らかに身に覚えのない通知、そして「今すぐ対応が必要」など焦らせる表現が含まれている場合は、スミッシングの可能性が高いです。
万が一リンクをクリックしてしまった場合の対処法
万が一フィッシングサイトにアクセスしてしまっても、冷静に対処すれば被害を最小限に抑えられます。
1. すぐにページを閉じる
個人情報を入力する前にページを閉じれば、基本的に被害は発生しません。
2. ウイルススキャンを実行
マルウェア感染の可能性を排除するため、スマートフォンやPCでウイルススキャンを実施してください。特に添付ファイルを開いた場合は要注意です。
3. 情報を入力してしまった場合
誤って個人情報を入力してしまった場合は、直ちに関連する機関に連絡しましょう。
- 銀行:口座の凍結やカードの停止手続き
- クレジットカード会社:不正利用の調査とカード番号の変更
- 警察:フィッシング詐欺の報告
また、該当アカウントのパスワードをすぐに変更してください。
スミッシング対策に役立つツールと心構え
スミッシングを防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 迷惑SMS対策アプリを導入
「迷惑電話ブロック」「セキュリティアプリ」などを利用することで、フィッシングメッセージの受信を制限できます。 - メールアドレスや電話番号の管理を徹底
安易に個人情報を登録しない、または公開しないようにしましょう。特に単純な文字列のメールアドレスは避け、複雑なものにすることを推奨します。 - 情報セキュリティの意識を高める
普段から不審なリンクやメッセージに対して注意を払い、公式サイトで情報を確認する習慣をつけましょう。
まとめ
スミッシングは手口が年々巧妙化しており、見分けるのが難しくなっています。しかし、基本的な対策をしっかり講じることで被害を防ぐことができます。SMSを受け取った際は、慌てず送信元や内容をよく確認し、不審な場合はすぐに削除しましょう。
また、情報セキュリティに関する知識を深め、怪しいメッセージに惑わされないよう心がけてください。日常的な意識と適切なツールの活用で、安全にデジタルライフを楽しみましょう。